フィギュア 原型 研磨と渋みのお話 フィニッシャー
3D SYSTEMS 等のサポートのつかない3Dプリンターで造形されたレジンの研磨のお話。
レジンの種類のより造形後の硬度が違います。
当然、各ブランド様や原型師様により使用する造形時に使用するレジンが違うので、それぞれに合わせて研磨する必要があります。
また、造形時の積層の出方と原型データの描き込みにより、積層をキレに研磨してしまうとディテールが崩れるという現象が起きます。
ここの見極めが難しい箇所になり、研磨からサフまでの全体の工程を踏まえ、どう研磨していくか決めていきます。
原型師が意思、意図を持ってキャラクターデータを作り込んでいるので、その意思、意図を汲んで読み取って研磨していきます。
必要な箇所はスジボリを入れ、造形時の積層でダレた箇所はエッジを立てディテールを作り研磨していきます。
研磨の仕事は理詰めの世界です。 対象の形状と硬さを見て、研磨力(番手と力加減)と 道具のカタチ を決める。
必要であれば道具を作る。これに尽きます。
根気と創意工夫が求められます。
柔らかめのレジンの微小パーツの場合、ペーパーヤスリのみで仕上げる場合もあります。
フィギュアを組み付ける凸凹を勘合といいます。組付けた時にすぐに外れたりカタ付いたりしない様にするのが渋み出しです。
柔らかめのレジンの場合、硬めの渋みを付けると外す時の力加減次第で凸が折れます。
折れた時はリカバリーすれば良いのですが、経験が浅いと放心状態になります。
研磨~サフの後、組み上げて納品し検品を通れば仕事として完了ですが、型取り時や量産時に差し支えない様に気を付けてる必要があります。
渋み付けも気を付けなければならないのが、キャラクターのポーズによっては全てのパーツに渋みを付けないという事もあります。
複雑にパーツが重なる箇所は 「凸パーツ全てに渋みを付けると組めない、組むのにとても苦労する」事が発生します。
これを無理やりにでも組付けて納品した場合、型取り後の量産で不要な手間が発生するので後工程まで意識して作業する必要があります。
フィギュア原型の研磨 フィニッシャー の仕事は、理詰めと根気と想像力が求められる仕事だと思います。
追記:神ヤスリ / ペーパーヤスリ / スポンジヤスリ さんにはとてもお世話になっております。